研究課題
我々はBCボックスタンパク質の中のSOCS(supressors of cytokine signaling)ボックスタンパク質の一つであるSOCS7のBCボックスモチーフを含む膜透過性神経分化誘導ペプチドにより脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived Stem Cells:ASCs)の脊髄前角細胞に代表されるコリン作動性ニューロンへの分化誘導に成功した。さらにこのSOCS7由来の膜透過性神経分化誘導ペプチドと顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte Colony Stimulating Factor、G-CSF)を、圧迫性脊髄症モデルラットに投与を行い、その運動機能改善効果や神経保護効果を検討した。SOCS7由来の神経分化誘導ペプチドのコリン作動性ニューロンへの分化誘導作用及びG-CSFの内因性神経幹細胞の成長・分化促進作用や神経保護作用の相乗効果が期待されたが、病理学的な脊髄変性変化及び運動機能変化に有意な変化を及ぼさなかった。現在、これまでに急性脊髄損傷の動物モデルに対する有効性が報告されてきたASCsをそのまま圧迫性脊髄症モデルに対し経静脈的投与、またはASCsをSOCS7由来ペプチドによりコリン作動性ニューロンへと分化誘導を行った後に圧迫性脊髄症モデルラットに経静脈的投与を行い、その運動機能や脊髄前角細胞温存に及ぼす影響を検討している。圧迫性脊髄症の対する非侵襲治療の可能性を追究し、研究継続中である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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