1.いままでの成果を元に論文作成した。① 脊髄傷害誘導性神経幹細胞(spinal cord injury induced-Neural Stem/Progenitor Cells:SC-iSCs)の基本的細胞特徴 ② 組織内でも神経幹細胞と血管周皮細胞マーカーで共発現していること ③ RNAマイクロアレイの結果 以上をまとめ、英文誌に投稿し、採択された。 2.SC-iSCの細胞特性と他疾患での同様細胞は可能かの検討。 分離培養した細胞を① RNAマイクロアレイの解析からSC-iSCに特異的なマーカーを3種類同定。細胞や組織で発現を検討している。その一つの新規特異的なマーカーはSox2と共発現していた。脳虚血と脊髄損傷から傷害誘導性神経幹細胞の分離が可能であることを検討した。臨床応用を考えた場合、脊髄損傷部位は外科的摘出することはないため、これを臨床応用することは難しい。よって、外科的摘出する可能がある脳の出血性病変からの傷害誘導性神経幹細胞ができるかを検討。同様な形態の細胞群を分離培養することができた。現在ヒト脳出血から同様細胞が分離培養できるかを検討中である。 3.損傷組織内でのSC-iSCsの働きとその運命 上記のように分離培養したSC-iSCsの他家移植は臨床的応用は難しい。よって、内因性のSC-iSCの賦活化物質等を検討した。全自動ウエスタンブロットを導入したため、これで再検討したが、微量であるのか、炎症蛋白や神経保護蛋白などの動きを知るのが困難であった。間葉系幹細胞で脊髄損傷マウスの運動機能が改善することデーターを有しており、間葉系幹細胞がSC-iSCsと関連性についてはいままで論じられていないため、現在検討中である。
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