研究課題/領域番号 |
20K17953
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 陽一 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (30861322)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 抗体マーカー / 動脈硬化 / 統合解析 |
研究実績の概要 |
脳梗塞に関与する抗体マーカーの臨床応用に向けて、当教室で確立した発現クローニングによるスクリーニング手法を用いて、新たな脳梗塞関連マーカーの同定を続ける中で、2つのマーカーについて論文に発表した。TSTD2は、脳梗塞と慢性腎臓病に特異的なマーカーとしてMEDICINE INTERNATIONAL誌に発表した。いずれも動脈硬化を反映する結果として有用なマーカーと考えた。また、colony-stimulating factor 2は脳梗塞と大腸ガンに特異的なマーカーとしてFrontiers in Cardiovascular Medicine誌に発表した。こちらはガンと動脈硬化の両面性があるところが特徴的で、炎症を背景とした自己抗体の形成が示唆され、重要な結果と捉えている。 いずれも新規マーカーであり、昨年度より進めている複数の抗体マーカーの統合解析研究の対象とした。2022年度には、これまでに同定した34種類のマーカーに対する抗体価を統合解析することで、マーカー単独でも診断精度が向上することを示し、第22回日本分子脳神経外科学会、日本脳神経外科学会第81回学術集会、および第48回日本脳卒中学会学術集会で発表した。マーカー単独では、脳梗塞発症の独立した予測因子となりうる一方、陽性的中率が高くないという課題があったが、複数のマーカーを統合することで、感度・特異度を維持しながら陽性的中率を向上させられる有用性を示すことができた。今後は機械学習アルゴリズム解析を用いて、より精度を上げたマーカーの組み合わせを検証していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たなマーカーの同定は再度進めることができた。 研究代表者の異動によりエフォートに変化があったため、脳梗塞病型診断に関する検体収集が滞ってしまい、予定した解析に至れていない。
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今後の研究の推進方策 |
脳梗塞関連マーカーを統合して解析することは、有意な結果をもたらすことが示唆されたため、この解析について強化して進めていく。 保有する検体と同定した複数のマーカーによりAlphaLISA法による免疫定量を続けることで、有用なマーカーの組み合わせを検証していく。 また、病型診断について、多施設前向き研究に着手できるよう検体収集に関しても運用を改め継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳梗塞関連マーカーの統合解析を継続して行うため、研究機関を延長し、解析に向けた追加の免疫定量を継続することになりました。AlphaLISA法では専用のビーズを購入して測定する必要があり、その購入費用にあてます。
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