研究課題
テネイシンC(TNC)ノックアウトマウスと野生型マウス(メス:20-25g)をそれぞれsham群とクモ膜下出血(SAH)群の2群づつの計4群にランダムに分け、Stroke Therapy Academic Industry Roundtable (STAIR)が提唱する動物実験指針に準じ、評価項目は全て盲検的に検討した。SAHモデルはSAHの急性期モデルとして確立している血管内穿通法により作成し、経頭蓋電極により持続的に脳波をモニターし、TNCノックアウトによりSAH後てんかんの重症度や頻度がどのような影響を受けるか検討した。さらにSAH後24時間後および48時間後に致死率、体重変化率、SAHの重症度、神経症状、血液脳関門(BBB)障害、アポトーシスの程度を2重盲検的に評価し、TNC発現抑制によりどのような影響を受けるか評価した。また、野生型マウスに抗てんかん薬を投与し、SAH後てんかんを抑制することで、TNC誘導およびBBB障害や神経細胞のアポトーシス発生が抑制されるか検討した。今後、TNCがBBB障害、神経細胞アポトーシス、てんかんを引き起こす分子病態や細胞内情報伝達機構を明らかにするため、関与することが予想される各分子、例えば、Toll様受容体4、インテグリン、上皮成長因子受容体、代表的なmitogen-activated protein kinaseであるextracellular signal-regulated kinase (ERK) 1/2、c-Jun N-terminal kinase (JNK)およびp38、cleaved caspase-3、サイトカインなどの発現変化をWestern blot法にて評価する予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、研究成果が得られつつあるため。
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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