本研究はマトリセルラー蛋白の1つであるテネイシンCがてんかん原性獲得において重要な役割を果たす可能性を初めて示した。テネイシンCは病的状態でその発現は誘導され、受容体やサイトカイン、他の細胞外マトリックス蛋白などと反応し、細胞間や、細胞と細胞外マトリックス間の様々な機能を調整することから近年、注目されてきた。テネイシンCを介する新しいてんかん誘発性細胞死のシグナル経路を解明した本研究の成果は、薬剤抵抗性の側頭葉てんかんなど、他原因のてんかん研究にも応用できる可能性があり、てんかん原性獲得やてんかん誘発性細胞死を未然に防ぐ新しい治療法の開発へと発展していく可能性がある。
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