目的は有望な脳動脈瘤感受性遺伝子Xについて、そのノックアウトラットモデルを作成し実際に脳動脈瘤形成が促進されるかを調べることである。F1ヘテロ遺伝子変異同士の体外受精にて受精卵の凍結胚192個を得た。これらを個体復帰させ、脳動脈瘤モデルを作成し、候補遺伝子Xの関与を検討した。14日目に、4か所のWillis輪前半の分岐部(ACA-OA とICA-MCA)の脳動脈瘤発生率を比較したところ、遺伝子Xのホモとヘテロの個体は野生型に比べ、1.75倍高かった(p<0.01)。血圧に差はなかった。一方、脳動脈瘤の大きさには差はなかった。以上、候補遺伝子Xは脳動脈瘤感受性遺伝子である可能性が示唆された。
|