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2020 年度 実施状況報告書

老化細胞の排除と滑膜幹細胞注射の組み合わせによる効率的な変形性膝関節症治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17990
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

遠藤 健太郎  東京医科歯科大学, 統合研究機構, プロジェクト研究員 (30844378)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード細胞老化 / 滑膜幹細胞 / 再生医療 / 変形性膝関節症 / senolytic drug
研究実績の概要

近年、変形性膝関節症(OA)を含め様々な慢性疾患において老化細胞の組織中への蓄積と病態進行の関連性が示されている。また、老化細胞を選択的に除去可能な薬剤を関節内投与することでOA進行を抑制可能であることが報告されている。本研究の目的は、老化細胞の排除と滑膜幹細胞注射を組み合わせた際に、滑膜幹細胞の生着およびOA治療効果が増強されるかどうか検討し、より効率的なOA治療法の開発を目指すことである。まずラットの前十字靭帯を切除したOAモデルを作成し、軟骨・半月板における老化細胞数(p16, p21により評価)やsenescence-associated secretory phenotype(SASP)因子であるIL-6やMMP13の発現を観察した。現時点では術後8週において軟骨および半月板でのp16陽性の細胞数およびSASP因子発現の増加を観察できている。また、これまで老化細胞除去薬として広く使われてきたABT-263の他に、有用な薬剤候補があるかどうかを軟骨細胞および半月板細胞で探索中である。具体的には、過酸化水素(H2O2)により細胞に酸化ストレスを生じさせることで人工的にラット老化軟骨・半月板細胞を誘導し、様々な濃度の様々な薬剤への感受性を正常細胞と比較することで薬剤候補を絞り込む。現時点ではラット半月板細胞にて老化細胞除去効果を示す新たな薬剤候補を見出すことに成功している。また、この薬剤がヒトOA由来半月板細胞においても同様の老化細胞除去効果を示すことを確認している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットOAモデルにおいて老化細胞数およびSASP因子の経時的な変化についての検討が進んだため。また、膝関節疾患に対する新たな老化細胞除去薬の開発に繋がるデータを得られたため。

今後の研究の推進方策

ラットOAモデルにおいて、老化細胞除去薬と滑膜幹細胞注射の組み合わせによる相加・相乗効果を評価する。また、新規薬剤候補のin vitro, in vivoでの詳細な解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度参加を予定していた学術集会の多くがオンライン開催となったため。次年度使用額分は、新規薬剤の解析に関連する試薬類の購入や論文作成に充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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