研究課題
軟部肉腫は発生頻度が低く,100 種類以上の病理組織分類が存在しており,それぞれ全く異なる性質(発生部位,進展形式,転移様式,化学療法や放射線治療への反応)を持ついわゆる希少がんの集合である.このため,大規模臨床試験による標準治療の確立には時間を要し,いまだ1970年代に開発された薬剤が第一選択薬となっており,近年上市された薬剤の有用性についてはいまだ明らかとなっていないものが多い.本研究では我々が新たに開発した「より臨床を反映した動物モデル」である患者由来組織同所性異種移植( Patient derived orthotopic xenograft: PDOX)モデルマウスを軟部肉腫に応用し,現在臨床において使用可能な薬剤を用い薬剤感受性試験を行うことで「PDOX モデルにおける薬剤感受性」を明らかとし,その結果と「臨床患者における治療効果」の相関につき検討を行い,軟部肉腫おける個別化医療の開発を目標とした.昨年度は一昨年樹立した7例のPDOXモデルに対し,現在臨床上使用可能な薬剤を用い薬剤感受性試験を行い,一昨年度用いたドキソルビシンよりも効果の高い薬剤をPDOX上で確認することができた.またPDOX腫瘍を用い樹立した7株の細胞株に対し,薬剤耐性因子発現の有無につき検討を行い薬剤排出因子の高発現を確認した.
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