マウスアキレス腱損傷モデルでは、瘢痕形成や異所性骨化がみられ、腱修復能の低下が示された。そして、腱組織特異的Dicer遺伝子欠失マウスは腱修復能の低下がさらに顕著に現れた。瘢痕形成や異所性骨化を標的としたレチノイン酸受容体アゴニストの投与によるマウスアキレス腱損傷モデルの解析では、レチノイン酸受容体アゴニストの投与により形態組織学的に良好な腱修復と異所性骨化の抑制を確認した。また単離した腱由来線維芽細胞を使用した実験系において同薬剤の添加は、軟骨分化やサイトカインの発現を抑制させることを確認した。アキレス腱損傷モデルにおいてレチノイン酸受容体アゴニストは、腱修復を促進することが示された。
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