動物モデルおよびヒト組織を用いて変形性膝関節症(膝OA)の痛みの治療ターゲットを明らかにすることを目的とした。 まず、ラット膝OAモデルを使用して、卵巣切除による骨粗鬆症は軟骨下骨を中心にOAを進行させる可能性を明らかにした。ヒト組織を用いた研究では、MRIで骨髄浮腫を認める骨組織では、以前痛みと関係すると報告した組織学的変化である破骨細胞密度上昇や神経成長因子(NGF)発現が増加することを明らかにした。滑膜の研究では、滑膜炎や血管増生はOA早期から認め、さらに早期OAの方が進行期より滑膜の神経密度がより高かった。以上の結果から、早期膝OAでは滑膜病変がより痛みに重要になることを明らかにした。
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