本研究では、股関節の不安定性に関する関節包切開の影響と、関節包修復がその改善に及ぼす影響を調査した。いずれも新鮮凍結屍体股関節を使用し、6 degrees of freedomロボットアームを使用して解析を行った。その結果、関節包切開が股関節の安定性に重要な変化をもたらすことを明らかにした。特に、腸骨大腿靭帯を完全に損傷するような関節包切開を行うと、重大な股関節不安定性を引き起こすことが分かった。関節包修復術については、通常の縫合方法は関節包切開の状態と比較して不安定性の有意差はなかったが、特定の修復方法を用いた場合には関節包切開の状態と比較して不安定性が有意に改善することが明らかとなった。
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