研究課題/領域番号 |
20K18019
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
都丸 洋平 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (80850453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ペルテス病 / 骨髄血移植術 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
研究計画に従い、ブタペルテス病モデルに関する先行研究の再現性を検討すると共にペルテス病の自然経過を関することを目的に、ペルテス病モデルを作成した。先行研究の手法に従い、大腿骨頚部を結紮することにより壊死モデルを作成した。両股関節で骨頭圧潰が生じ、先行研究の再現性を確認することができた。ペルテスモデルの自然経過を術後4週毎のレントゲン撮影で放射線学的な形態評価を行い、術後14週間で安楽殺を行い、病理組織学的精査を行った。 次の個体で作成したペルテス病モデルに対して、ドリリングののちに骨髄血を移植した左大腿骨頭と、ドリリングのみを行った右大腿骨頭でその経過を比較した。初回手術後4週にドリリング後に骨髄血から分離培養した間葉系幹細胞移植を行った左大腿骨頭と、ドリリングのみ行った右大腿骨頭に関して放射線学的形態評価、病理学的精査、比較を行った。ドリリング後4週間毎にレントゲンで骨頭形態を評価した。Epiphyseal quotient(EQ:成長板の中心からの骨頭の高さ÷成長板の長さ)が間葉系幹細胞移植を行った大腿骨頭で大きい結果であり、骨頭の圧潰を軽減することができた結果だった。14週間で安楽殺を行い骨頭を摘出した。病理学的、CTでの精査では、明らかな骨性架橋の生成はなく、感染兆候や、悪性新生物形成も見られず、安全性を確認することができた。 ペルテス病に対しては現状ではcontainment療法と呼ばれる、外転装具、免荷装具、骨盤骨切り術、大腿骨骨切り術などを用いて骨頭を被覆して球形を維持する形態学的な治療が行われているのみである。今回の研究をヒトに応用して、ヒトペルテス病に対して再生医療学的な治療を組み合わせて行っていくことで治療成績を向上させることができると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブタの飼育、実験に予想以上に料金がかかり、頭数を減らして実験をおこなっている。間葉系幹細胞を移植することで骨頭圧潰を予防することができた。その内容は論文化して現在英文雑誌に投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
実験は終了しており、論文の投稿作業を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文の投稿作業が終了しておらず、論文の投稿料、英文校正費用に用いる予定である。
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