老化に伴って骨修復能や骨リモデリング力は低下する。しかし、その機序は不明であった。本研究の成果として、骨修復に寄与する胎児卵黄嚢由来破骨細胞の存在を新たに発見した。胎児卵黄嚢に発生したマクロファージは胎生期に骨へと移行し骨吸収を担当する破骨細胞へ分化した。胎児マクロファージに由来する破骨細胞は長期に渡って生後の骨に在住し、骨の恒常性維持に関与していた。さらに一旦、骨損傷が起こると、その修復過程の亜急性期から慢性期にかけて局所へと遊走し、損傷後の骨リモデリングに関与することが明らかとなった。胎児由来破骨細胞の存在は、経時的な骨リモデリング力の変化に寄与する可能性が示唆された。
|