神経に近接する軟部肉腫では,神経の合併切除に伴う神経脱落症状が問題となる.近年は,温存した患肢の「機能」や「生活の質quality of life(QOL)」に注目が集まっている.本研究では,動物実験を行い,液体窒素処理自家神経は,自家神経と遜色ない患肢機能の回復を示した.また,担癌神経グラフトは,液体窒素処理において殺細胞化され,かつ神経再生能力を有していることを示した.本研究成果により将来的にヒトへこの技術が応用されれば,液体窒素処理担癌神経グラフトによる,軟部肉腫広範切除後のよりよい患肢再建術の一助となる可能性がある.
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