生体の持つ体内時計(概日リズム)は時計遺伝子によって制御されている。血圧変化、ホルモン分泌や行動など、概日リズムが反映する。骨折治癒過程でも時計遺伝子の関与が示されている。本研究では、骨癒合遅延モデルとして糖尿病マウスに骨折を作成した。糖尿病では時計遺伝子の発現が変化するが、メラトニン投与により人為的な概日リズム調節を試みて、骨癒合を促進するか正常群含め比較検討した。 結果、正常、糖尿病群、メラトニン投与群で骨折部の時計遺伝子の発現に変化が見られた。しかし、μCT,組織学的評価では、骨癒合遅延はメラトニン投与で改善せず、糖尿病に関連する骨癒合遅延は、糖尿病の治療が重要であると考えられた。
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