研究課題/領域番号 |
20K18034
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
金崎 彰三 大分大学, 医学部, 助教 (10813529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラット / 大腿骨 / 開放骨折 / テリパラチド / BMP |
研究実績の概要 |
通常では骨癒合が得られないラットの大腿骨骨欠損モデルを作成し、骨伝導性、生体適合性、細胞接着性を有するとされるカーボンナノチュー ブをBMPの担体と して骨欠損部に使用することで骨癒合への効果を検討する。さらに、骨形成作用を持つテリパラチド、ロモソズマブ との併用 での骨癒合効果についても検討を 行う。 四肢開放骨折や骨髄炎、骨腫瘍摘出後などで巨大な骨欠損を生じることがあるが、その治療は長期に渡る上に難渋を極め、大きな社会的損失を もたらす。骨再 建方法としては創外固定を用いた骨延長、血管塀付き遊離骨移植、Masquelet法が一般的であるが、骨癒合率を上昇 させるため の方法は未だ十分に確立されて いない。本研究の目的はラット大腿骨骨欠損モデルにおいて、高い骨伝導能と分散性を持つexfoliated carbon nanofibers(以下ExCNFs)と骨形成作用 を持つ Bone morphogenetic protein( 以下BMP)の併用により骨形成、骨癒合が促進されるかを検討する ことである。また副甲状腺ホルモン製剤や抗スクレロチン抗体 の全身投与を併用によることに よる骨形成効果を検討する。 <令和2年度> ラット大腿骨骨欠損モデルを作成し、骨折部周囲に担体のみ(コントロール)、担体+ExCNFs 溶液(ExCNFsをL-glutamine溶液に分散させたもの)、担 体+BMP-2 (1 0μg) 、担体+ ExCNFs+BMP-2を投与する各群10匹の計4群を作成し、骨形成作用を検討する。 令和3年度、令和4年度は薬剤は変更し研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度、当院の動物実験施設が改修に入ってしまったためラットを使用した動物実験制限ができず、計画通りの動物実験行えませんでした。 令和3年度より実験を開始しています。カーボンナノチューブの利用が困難となった関係から、ラット大腿骨開放骨折モデルを用いた、テリパラチドの局所投与を用いた実験を行なっています。テリパラチドは単体の局所投与ではすぐに加水分解されてしまうため、ハイドロキシアパタイト・コラーゲンを局所投与の担体として使用しました。現在対照群、テリパラチド群の各12匹で実験が終わり、データの解析を行なっている際中です。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度:ラット大腿骨開放骨折モデルを用いて、テリパラチドの局所投与が骨形成を促進するかを検討する。また、BMPやゾレドロン酸も混合して使用して併用効果についても検討予定である。 評価項目: 術後8週に大腿骨を摘出し、レントゲン撮影を行い骨癒合を前後像、側面像 で判定する。micro CT検査を行い、tissue volume, bon e volume, trabecular volume等を測定し、定量的に骨形成の状況を判定する。また、徒手的に骨癒合を確認し、定量的にも機械的強度を測定 する。病理組織学的検討を行 い、さらにBMP Smadシグナルにより最終的に形成される タンパク質ID-1の発現を免疫染色し(Anti-Id1抗体,abcam )、定量的に測定することでBMPの働きを検討 する。採取した血液から骨形成因子、骨吸収因子を用いて測定し全身への影響を 検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度、当院の動物実験施設が改修に入ってしまったためラットを使用した動物実験制限ができず、計画通りの動物実験行えなかった。令和3年度から実質的開始したが、一部使用薬剤の変更もあり実験計画に変更が生じたことから差額が発生した。 次年度使用額については当初の計画通りラット実験に用いる予定である。
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