本研究では黄色靭帯肥厚における酸化ストレスの関与を調査し、抗酸化剤であるN-acetyl cysteine(NAC)が黄色靭帯肥厚に対する治療標的となりうるか否かを検証した。ヒト変性黄色靭帯では酸化ストレスが蓄積されており、単離培養した黄色靭帯細胞でも酸化ストレスおよびTNF-α投与により上昇したコラーゲン1型および3型、TNF-αのmRNAは抗酸化剤であるNACを添加することで有意に低下した。同様にプロコラーゲン1型αのタンパクもNACを添加することで有意に抑制されることが判明し、酸化ストレスは黄色靭帯肥厚に関与しており、抗酸化剤投与は腰部脊柱管狭窄症に対する治療をなりうると考えられた。
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