研究実績の概要 |
【研究概要】標準菌株・臨床分離株・臨床例を対象とした複数プライマーによる薬剤耐性遺伝子の有無を検証し、定量 PCR/OSNA (LAMP)法、NGSによる細菌叢と薬剤耐性遺伝子の検討を行った。 【方法と結果】超音波処理によるインプラント・骨軟部組織の培養検査、Next Generation Sequencingを用い、 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS)の複数菌種による PJIと診断した症例より、同定・検出された細菌を用い、培養検査結果で異なる感受性結果を認めたので研究計画記載の方法のごとく LAMPプライマーによる薬剤耐性菌迅速検出を目的として開発した新規独自開発プライマーを用いて検証を行った。 同一のPJI症例より分離された 10株の CNSに対し、培養検査結果は、 S.lugdunensis (6; メチシリン耐性 (2)/6)、 S.warneri (2)、 S.lentus (メチシリン耐性)1、 S.epidermidis (1)であった。 Genelyzer FII (Cannon medical systems corporation) による陽性有無・反応時間は、 1) mecA: 3/10株, 2)ブドウ球菌属: 10/10株で陽性を認めた (反応時間; mecA: 平均7分6秒 (6分31秒-7分46秒), ブドウ球菌属: 平均8分30秒 (7分1秒-13分46秒))。また、1) mecA 、2) 黄色ブドウ球菌検特異的プライマー を自作し、 臨床分離株を用いた Genelyzer FII による陽性有無と反応時間の検証を行った。 整形外科 41臨床分離株 (MSSA: 5,MRSA: 14,MRCNS: 7, MSCNS: 9, その他細菌: 6) を 0.5McFarlandに調整し測定した結果、1)mecAは100% (21/21)検出 し、 反応平均時間 (標準偏差)は 7.2分 (0.17)、 2)SPAは100% (19/19)検出し, 反応平均時間 (標準偏差)は 5.7 分 (0.1)で 1)2)ともに偽陽性を認めなかった。
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