研究課題
リン酸八カルシウム(OCP)はハイドロキイアパタイトに転換され、その過程で骨芽細胞への分化を促進させ骨新生を誘導し、また破骨細胞を刺激することで早期に吸収される。この性質を利用し、早期に吸収され骨形成を促す新たな人工骨の開発を行うことが研究の目的である。新たな人工骨が作成できれば臨床上問題となる骨欠損の新たな治療材料となりうる。しかし、OCP単独では操作性が悪いため適切な担体の開発が必要である。無機物質を担体として強度のある人工骨の開発もすすめ、ポリ乳酸(PLLA)に注目し研究を開始し、それと並行して、その他の無機物質も検討した。そのなかでポリ乳酸-グリコール酸(PLGA)を担体としたOCP複合体にの開発もすすめた。研究は、これまで開発してきたGelを担体とした人工骨の比較で行った。研究を進めていくうえで、Gelや無機物資を担体としたOCP複合体が、より骨新生の条件の悪い皮質骨欠損モデル(大腿骨遠位での皮質骨を貫通させた骨欠損モデル)での骨新生が促されることを示した。これらの知見を以下の論文にまとめた。・Octacalcium Phosphate/Gelatin Composite (OCP/Gel) Enhances Bone Repair in a Critical-Sized Transcortical Femoral Defect Rat ModelClin Orthop Relat Res. 480(10):p2043-2055・Impact of stimultaneous hydrolysis of OCP and PLGA on bone induction of a PLGA-OCP composite scaffold in a rat femoral defectActa Biomater. Apr 1;124:358-373.
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Clin Orthop Relat Res.
巻: 480 ページ: 2043-2055
10.1097/CORR.0000000000002257