研究課題
若手研究
リン酸オクタカルシウム(Octacalcium Phosphate、以下OCP)は、を人工骨として使用するためには有機物質や無機物質を担体とする必要がある。今回乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)を担体とするための研究を行った。ラットを用いた実験でOCPとPLGAの複合体は、吸収性も骨新生能も良好であることを示した。この結果から、OCP/PLGA複合体が有効な人工骨材料となりうることを示すことができた。
整形外科
感染や外傷による骨欠損の治療には、骨移植が必要であり、現在その需要は高まっている。骨移植には、自家骨移植、同種骨移植、人工骨移植の3種類がある。このなかで人工骨移植は、どの医療機関でも使用でき、使用量に制限はない。しかし骨欠損部を修復する能力は自家骨や同種骨移植より劣り、大量に使用すると人工骨が残存し炎症を惹起することがある。そのため高い吸収性を有し骨新生能が高い人工骨は臨床上重要である。今回の研究結果から、高い吸収性を有し、高い骨新生能を有する人工骨の開発につなげることができると考えられる。