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2020 年度 実施状況報告書

ミトコンドリア機能に着目した筋疲労回復への温度介入の効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K18069
研究機関札幌医科大学

研究代表者

房川 祐頼  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30868112)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード筋疲労 / ミトコンドリア / メタボローム
研究実績の概要

運動後筋疲労はスポーツ現場で運動パフォーマンスの低下や怪我を誘発するのみならず、筋肉痛や倦怠感を伴い日常生活の質も低下させる。従って、効果的な筋疲労からの回復法の確立は、社会的に広く重要な課題である。筋疲労の発生には複数の分子機序が関与するが、興奮収縮連関の過程において必要なエネルギー(特にアデノシン三リン酸:ATP)の需要を賄えないことが機序の主要因として注目されている。本研究では筋生理の実験に加え、メタボローム解析による網羅的代謝評価および細胞外フラックスアナライザーによる筋代謝測定を通じて、筋疲労におけるミトコンドリア機能の変化、エネルギー代謝産物との関連を明確化し科学的根拠のある筋疲労の回復法確立に貢献することを目的とした。筋疲労に対しては慢性疾患に生じる悪液質に筋疲労が先行することが問題となってきており、筋疲労モデルとして7週齢のWistarラットに5/6腎摘を施術した腎亜全摘 (subtotal nephrectomy: SNx)を用いた。SNxでは神経筋電気刺激を用いた下腿底屈筋群の反復等尺性収縮トルク測定により施術後8週目に疲労耐性の有意な低下を認めた。細胞外フラックスアナライザー評価によってヒラメ筋単離ミトコンドリアにおけるATP合成と共益する酸素消費量の低下を認め筋ミトコンドリア機能障害が示唆された。また呼吸鎖複合体I-Vのサブユニットのタンパク発現の有意な低下も認めミトコンドリア電子伝達系の異常が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腎亜全摘モデルラットを用いた筋疲労モデルの確立を神経筋電気刺激による筋張力を用いて確認した。ミトコンドリアの電子伝達系の構成成分の機能不全を同定し筋グリコーゲンの細胞内濃度の変化がないことも確認した。したがって腎不全における悪液質に生じる筋疲労に関して、解糖系に大きな変化を生じないミトコンドリアの機能不全が生じていることを突き止めている。

今後の研究の推進方策

電子伝達系、解糖系の他のエネルギー代謝経路の変化を調査するためメタボローム解析を施行する。筋疲労発症の原因物質として介入可能な物質が推定された場合、介入実験を行い筋疲労回復法の確立を検討する。

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公開日: 2021-12-27  

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