研究実績の概要 |
(1)TRPA1ノックアウト(KO)マウスの上皮全層切除モデルにおける創傷治癒検討を実施。 ①肉眼的観察;上皮全層切除マウスを経時的に肉眼的観察を行う(【図1】参照)。治癒がなされていない創部の面積をPhoto Shop (Adobe System, Tokyo, Japan)にて計測を行い、経時的な創傷治癒を数値化して、統計学的に解析を行うこととする。これまでの知見からTRPA1 KOマウスでは創傷治癒の遅延が予想されているがこれを確認する。 ②病理組織学的検討;肉眼的観察の終えたマウスを創傷作成より1,3,6,8,11,14日で各10匹ずつ、頸椎脱臼による安楽死後、4.0% paraformaldehydeにて固定しParaffinに埋没させ5.0μmの厚さに切片作成を行う。これをHematoxylin-eosin(HE)染色とMasson’s Trichrome染色し、上皮全層切除後の肉芽組織を創部の辺縁と創部の中心の2ヵ所で観察しその厚さを観察する。皮膚の創傷治癒において、線維芽細胞の活性化は創傷の閉鎖に重要な役割を演じる筋線維芽細胞を産生する。一方で遷延化した筋線維芽細胞の残存は好ましくない瘢痕、線維化とそれによる組織の収縮、変形を助長させるとの研究報告がなされている。そこでF4/80 anti-macrophage antigen 抗体およびαSMA抗体を用いた免疫組織染色により筋線維芽細胞のカウントを各群で行う。 ③RT-PCRを用いたmRNAの定量;病理組織学的検討で用いた組織を利用し、創傷作成時から瘢痕組織中のαSMA, F4/80, transforming growth factor β1(TGFβ1), collagen 1α2のmRNAの発現量をRT-PCRを用いて定量的に分析する。 上記の①-③に関しては、実験を完了した。
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