慢性的な睡眠障害が日中の排尿に与える影響について、膀胱容量の日内リズムに着目して解析を行った。睡眠障害モデルマウスでは活動期の1回排尿量が減少し、4時間のリズムの前方へのシフトを認め、グルココルチコイドの日内リズムも同様に前方にシフトした。膀胱のRNAseqによる変動遺伝子の網羅的解析では筋肉に関連する遺伝子群が顕著に減弱していた。また、細胞実験から膀胱時計調律因子としてグルココルチコイドの存在を明らかとした。以上の結果より睡眠障害は膀胱平滑筋の機能低下により活動期1回排尿量を低下させ、グルココルチコイドによる膀胱時計機構の破綻も相まって排尿障害を引き起こしている可能性が示唆された。
|