腎癌の早期診断や治療効果モニタリングを可能とする血液バイオマーカーが存在しない。これまで血中エクソソーム内包miRNAの網羅的解析によるバイオマーカー探索は行われてきたが、臨床応用段階まで進んでいるものが少ない。これまで尿中に癌特異的なエクソソームが存在することが証明されており、我々は血中エクソソーム内包miRNAのプロファイルとの違いに着目し、本研究では、腎癌患者尿中エクソソームを単離し、内包癌特異的なmiRNAの網羅的解析により、その存在を証明できた。さらに組織培養由来エクソソームの抽出法による、腎癌組織由来癌特異的エクソソームを抽出する手法を用いて、腎癌患者組織由来特異的なエクソソーム内包miRNAの同定も可能にした。しかし、健常者尿および正常腎部位と比較し、腎癌患者尿中および腎癌組織由来エクソソーム中に共通してみられた内包miRNAの存在を確認することができなかった。現時点での解析では同定できていないものの、更なる解析によって、探索する予定である。
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