今後の研究の推進方策 |
今後の研究実施計画は下記の通りである。 1) 尿路結石形成過程におけるOSMの尿細管上皮細胞、及び線維芽細胞における役割の検討:申請者らのこれまでの研究によって、OSMRβが尿路結石形成過程における尿細管上皮細胞、及び間質線維芽細胞に発現していることが明らかとなっている。そこで、尿細管上皮細胞、及び間質線維芽細胞におけるOSMRβを特異的にノックアウトしたマウスを用いて、GOx投与後の結晶形成量や、炎症性サイトカイン、及び結晶結合蛋白の発現量の変化を検討する。結石モデルマウスとして、8 週齢のマウスにGOx(80mg/kg)を連日腹腔内投与するモデルが用いられており、作製した細胞特異的OSMRβKOマウス、及び野生型マウスにGOxを連日腹腔内投与し、GOx投与後の各ステージ(0, 3, 6 日)において、①腎結晶形成量に関する組織学的解析、②炎症性サイトカインや結石関連遺伝子に関する生化学的・分子細胞生物学的解析、③フローサイトメトリーによる解析等を行う。 2) OSMをターゲットとした結石形成抑制効果の検討:現在までのところ、OSMは尿路結石の形成を促進する可能性が示唆されている。そこで、8週齢の野生型マウスにGOxを投与するとともに、OSMの中和抗体を投与し、Glyoxylate 投与後の各ステージ(0, 3, 6 日)において、上記①から③の項目について評価する。この実験により、結石の形成過程におけるOSM、及びそのシグナルの直接的な阻害の尿路結石形成予防に対する効果を検討する。
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