本研究は、前立腺癌治療抵抗性の機序として、JMJD1Cの役割を解明することを目的とした。結果、JMJD1Cは去勢感受性および内分泌療法抵抗性の前立腺癌細胞株で一様に発現していることが確認された。JMJD1Cとbeta-catenin経路、相同組換え修復関連遺伝子、細胞増殖シグナル遺伝子との相関が見られ、これらの経路を介して前立腺癌の進行に関与している可能性が示唆された。JMJD1C発現がARやAR-V7と強い相関を示し、アンドロゲンシグナル経路を介して治療抵抗性に関与していることが分かった。HIF1Aとの相関も明らかになり、JMJD1Cは多面的に前立腺癌増殖に重要な役割を果たすことが示された。
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