• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

医師採取および自己採取法を用いた日本人男性性器HPV感染症の疫学調査

研究課題

研究課題/領域番号 20K18110
研究機関金沢大学

研究代表者

中嶋 一史  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70792810)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードヒトパピローマウイルス / 性感染症 / 自己採取 / 尿 / スクリーニング
研究実績の概要

1)2021年度で報告した通り、コロナ禍で出された緊急事態宣言の影響で、思うように検体が収集できなかったが、2021年に入って検体収集を開始し、2022年3月末までに2種類の陰茎擦過検体を81例の患者より収集できた。それらの検体よりDNAを採取し、HPV-DNA検査および型判定を行った。HPV陽性率は医師採取検体31%、自己採取検体28%であり、両検体でHPV陽性であったのは26%であった。医師採取検体と比較するとHPV検出における自己採取検体の感度は91%、特異度は93%であった。また両検体でHPV陽性であった検体の70%で、検出された遺伝子型が完全もしくは部分一致しており、検出された遺伝子型は総じて自己採取検体の方が多かった。すなわち、男性においても陰茎擦過による自己採取検体を用いたHPV検査は十分可能であると推察された。
2)2020年度に検体採取が遅れてたことを受け、前回の報告書に記載した通り女性の尿検体を用いたHPV感染のスクリーニングの有用性についての研究を別途実施した。対象者は40例、HPVは子宮頸部検体の20例(50.0%)、外陰部検体の21例(52.5%)、尿検体の17例(42.5%)で検出された。3検体ともHPV陽性であったのは14例(35.0%)であった。型判定では子宮頸部検体、外陰部検体、尿検体の単独感染がそれぞれ9例、11例、11例、複数型の重複感染が6例、6例、4例であった。3検体ともHPV陽性であった14例中、完全に型が一致したのは5例(35.7%)、部分的に型が一致したのは7例(50.0%)であり、子宮頸部、外陰部の検体と比べ尿検体においてHPVの検出率がやや低いものの、HPV検出、型ともにある程度の一致が認められ、尿検体を用いたHPV検査が有効な方法となる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Human papillomavirus detected in sperm of Japanese infertile males affects reproductive parameters.2021

    • 著者名/発表者名
      Kato Y, Shigehara K, Nakagawa T, Nakata H, Iijima M, Nakashima K, Kawaguchi S, Izumi K, Kadono Y, Mizokami A.
    • 雑誌名

      Int J Infect Dis

      巻: 112 ページ: 294, 299

    • DOI

      10.1016/j.ijid.2021.09.029.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 高リスク型HPVは精子に感染し精液検査所見に関連している2021

    • 著者名/発表者名
      加藤佑樹、重原一慶、中川朋美、仲田浩規、飯島将司、中嶋一史、川口昌平、泉浩二、角野佳史、溝上敦
    • 学会等名
      第12回日本性感染症学会北陸支部学術講演会
  • [学会発表] 液状細胞診検体を用いた、女性の子宮頸部、外陰部擦過検体及び初尿検体のHPV検出についての検討2021

    • 著者名/発表者名
      川口昌平、重原一慶、大阪康宏、中川朋美、加藤佑樹、坂本次郎、中嶋一史、斎藤まゆみ、笹川寿之、溝上敦
    • 学会等名
      日本性感染症学会第34回学術大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi