研究課題
背景:去勢抵抗性前立腺癌は予後が悪く、新規治療法が社会的に求められている。新規治療法として温熱療法があるが、熱耐性や低い治療効果などの課題がある。これらの課題を解決するために、本研究では熱耐性の解析および、carbon nanohorn (CNH)を用いた新規ナノ粒子の開発を行った。方法:ヒト去勢抵抗性前立腺癌細胞株22Rv1においてHIKESHIをknockdown (KD)し、温熱療法への影響を検証した。またCNHとIONP(CNH-IONP)を3-aminopropylsilylで結合させた新規ナノ粒子(CNH-APS-IONP)を作製した。モデル動物として、ヒトCRPC細胞株22 Rv1を用いた前立腺癌モデルマウスを用い、CNH-APS-IONPを腫瘍部位に局所注入し、温熱治療を行った。結果:22Rv1におけるHIKESHIのKDにより温熱療法効果が増強された。磁器温熱療法としてコイル型AMF発生装置を用いてAMFを照射した。治療群の腫瘍温度は42-46℃に保たれた。さらに、治療群の腫瘍増殖率は、非治療群より有意に抑制された。腫瘍部位の増殖能の低下がKi-67 labeling indexの低下により確認された。結論:去勢抵抗性前立腺癌の温熱療法においてHIKESHIの熱耐性への関連が示唆された。また、CNH-APS-IONPによる温熱療法が可能であり、今後のナノ粒子の発展性が期待される。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Pharmaceutics
巻: 15 ページ: 626~626
10.3390/pharmaceutics15020626