研究課題
本研究では漢方薬(十全大補湯、補中益気湯、大建中湯、大黄甘草湯、抑肝散、桂枝茯苓丸)を用いて、抗PD-1抗体併用による抗腫瘍効果の解析、漢方薬と抗PD-1抗体併用による免疫動態の解明、漢方薬と抗PD-1抗体併用よる腸内細菌叢の変化の解明を行い、抗PD-1抗体の効果における影響と腸内細菌叢との関係性を明らかにしていくことである。まず、我々は漢方薬が腫瘍増殖に与える影響についてマウス腎細胞癌細胞株(RENCA)移植マウス(BALB/c)を用いて検討を行った。本検討においては大黄甘草湯を投与したマウスにおいて最も腫瘍増殖が抑制されていることが確認されたが、その他の漢方薬を投与したマウスにおいてはコントロール群と比較し、有意な腫瘍増殖抑制効果は認められなかった。さらに腫瘍増殖抑制効果が認められた大黄甘草湯と抑制効果が認められなかった十全大補湯と抗PD-1抗体併用における抗腫瘍効果の増強効果について検討を行った。大黄甘草湯と抗PD-1抗体を併用した群においては有意な差は認めてはいないが、腫瘍増殖抑制効果が見られたのに対し、十全大補湯併用群においては抗PD-1抗体の腫瘍増殖効果が認められなかった。現在、摘出した腫瘍組織内のtumor infiltrating lymphocytes (TILs)、regulatory T cells (Treg)の浸潤プロファイルならびに漢方薬、抗PD-1抗体の投与により起こる腸内細菌叢の変化、それがもたらす抗腫瘍効果に及ぼす影響について解析中である。
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