研究実績の概要 |
研究の目的:正常新生児ではOCT3/4やTSPY陽性細胞はほとんどみられないが、Disorders of sex development(DSD)症例では、delayed maturationによりみられる場合もあると報告されている。しかし、乳幼児期(特に乳児期)を対象とした報告は少なく、明らかになっていない。 対象と方法:乳幼児期にambiguous genitalia を呈し、性腺生検/摘出を行った73例を対象とした。135性腺(両側62、片側11)において検体が得られた。免疫組織学的染色を用いて、性腺組織を評価した。 結果:45,X/46,XY mosaicismの性腺組織はtestis 9、dysplastic testis 5、streak testis 10、streak gonad 22、gonadoblastoma 2であった。testis成分をもつ24性腺のうち、18性腺でOCT3/4陽性、TSPY陽性であった。streak gonad 22性腺のうち、18性腺でSGWECを認めた。さらに4性腺でOCT3/4陽性、10性腺でTSPY陽性であった。CD117は陰性だった。Ovotesticular DSDでは、23性腺でtestis成分を認め、testis 10、hypoplastic testis 3、dysplastic testis 10であった。6性腺でOCT3/4陽性、1性腺でTSPY陽性であった。20性腺でovary成分を認めた。46,XX testicular DSDの性腺組織はtestis 5、dysplastic testis 1であった。全例で不整な精細管を認め、OCT3/4陽性でTSPY陰性であった。その他27例の性腺はtestisであった。 結論: DSD症例の乳幼児期の性腺組織は、大部分のtestisでOCT3/4陽性細胞を認めた。
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