研究課題
若手研究
去勢抵抗性前立腺癌は致死的疾患であり、その主因の一つに治療ストレスに付随する腫瘍微小環境への暴露に誘発されたheterogeneityの変化がある。しかしその分子機構については十分にわかっていない。本研究では微小環境が前立腺癌に及ぼす影響とその環境応答自体の違いに着目し、前立腺癌細胞を用いて低酸素刺激前後の網羅的エピゲノム解析を行った。本研究の結果から去勢抵抗性獲得前後の代謝プロファイルの変化を同定し、また微小環境に由来するエピゲノム変化が去勢抵抗性獲得に影響を及ぼす可能性を示した。
前立腺癌
去勢抵抗性前立腺癌における腫瘍微小環境によるheterogeneityの変化については十分に解明されておらず、その分子メカニズムやゲノム変異以外のエピゲノム異常機構については未だ不明な点が多い。本研究はその一端を説明するものであり、微小環境への分子応答機構をゲノム変化や遺伝子発現変化より早期に起こるエピゲノム変化に着目した。治療抵抗性獲得のより早期に、さらに既存の治療戦略とは異なる視点から層別化しうる可能性を秘めており、実臨床において適切な個別化医療の展開へ繋がることが期待される。