二光子顕微鏡を用いた生体イメージングにより、マウス膀胱癌細胞株(MB49)を膀胱注入することで、尿路上皮集団運動(uCCM)が生じることを発見した。uCCMは、src阻害剤dasatinibの経静脈・経口投与、FAK阻害剤PF-573228の経静脈投与によりほぼ停止し、src/FAKシグナル経路に依存していると考えられた。Dasatinibの連日経口投与によりMB49の膀胱注入モデルでは腫瘍の増大が有意に促進された一方、皮下移植モデルでは腫瘍増大がやや抑制された。このことから、uCCMの抑制が腫瘍の増大を来す、つまりuCCMが癌細胞の尿路上皮生着を抑制する防御機構であることが示唆された。
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