膀胱癌では病理学的に悪性所見のない粘膜にfield changeとしてdriver変異が存在し、腫瘍再発や膀胱癌発生と関連する可能性が高いと報告されているが、field changeの分子生物学的メカニズムは解明されていない。そこで本研究では膀胱正常粘膜の網羅的遺伝子変異解析を行い、膀胱癌再発メカニズムの解明を目指した。 膀胱癌患者から採取した膀胱正常粘膜を遺伝子変異解析を行うと、TERT promoter、FGFR3、CDKN2A変異を認め、正常尿路上皮で同定されたこれらの変異はすべて、膀胱癌のゲノム進化におけるドライバー変異である可能性が高いと考えられた。
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