研究実績の概要 |
本研究の主眼は,T細胞関連拒絶の進展とオートファジーに与える影響することである.今年度は,腎移植生検のデータベースを構築するためのハードウェア環境を整えた.構築されたデータベースをもとに,T細胞関連拒絶の病理所見と臨床経過について,検討を行った.九州大学病院の300例の腎移植患者を対象にした観察研究において,T細胞関連拒絶を,急性型と慢性活動性型に分類した.慢性活動性型は,急性型に比し,間質線維化/尿細管萎縮の進行度合いが明らかに強く,臨床経過と長期予後はは明らかに慢性活動性の方が悪いことが示された.上記内容について論文を執筆し,採択された(Nakagawa K, Tsuchimoto A, et. al. Am J Transplant 2020).上記結果をもっと,慢性活動性型と急性型のオートファジー活性について比較検討を行う観察研究を開始した.また,オートファジーの尿細管への影響の検討するための基礎細胞実験を開始する予定である.
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