腎癌細胞株における細胞内ミオイノシトール代謝の影響について評価をするため、ミオイノシトール新規合成経路の律速酵素であるISYNA1の発現ベクターとコン トロールベクターをそれぞれ、ヒト腎癌細胞株ACHN、786-Oに遺伝子導入し、安定発現細胞株の樹立をした。前年度からの研究継続として、コントロール ベクターを遺伝子導入した786-O細胞に対して向精神薬であるバルピロ酸、リチウムの投与を行った。コロニー形成アッセイで細胞増殖の影響を評価すると、786-0では バルプロ酸投与群で形成されたコロニーが多い傾向がみられた。遺伝子導入前のACHN、786-O細胞に対してバルピロ酸投与を行った場合も同様の傾向がみられた。ISYNA1安定発現をさせたACHN、786細胞に対してバルピロ酸、リチウム投与を行った際のコロニー形成アッセイでは、バルプロ酸の用量依存的にコロニー形成が増加していた。
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