研究課題
若手研究
転移性腎細胞がんにおける免疫チェックポイント阻害剤治療において血清FGL1が治療効果・予後と相関があるかどうかを解析し、治療後2-3週の血清FGL1が予後と相関することが示された。また腫瘍浸潤T細胞上のLAG3発現をフローサイトメトリーを用いて検出し臨床病理学的所見との相関を解析した。CD4陽性T細胞上のLAG3発現は臨床病理学的所見との相関を認めなかったが、CD8陽性T細胞上のLAG3発現が高齢・進展症例・high grade症例で有意に上昇していることが示された。
泌尿器がん
この研究の社会的意義は、腎細胞がん治療におけるFGL1とLAG3の重要性を明らかにすることで今後の個別化されたがん治療に向けた情報として重要な点にある。免疫チェックポイント分子による免疫抑制メカニズムや臨床所見との相関性を明らかにすることで、将来的には免疫チェックポイント阻害剤治療の効果を最大化し、患者の生活の質を向上させる治療戦略を開発する基盤を提供することが期待される。