研究課題/領域番号 |
20K18159
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
甲畑 宏子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (90762542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳がん / 教育 / 遺伝 / 健診 / ニーズ調査 |
研究実績の概要 |
本研究のテーマとする勤労世代の女性における教育ニーズをより明確にすることを目的として、乳がん・乳がん教育に関連する関心事項、検診の有無と受診動機・受診の障壁、乳がんに関する知識・原因の認識、雇用形態と教育方法の関連などについて調査を行った。20~59歳の女性約500名に対しウェブ調査を実施した。各年代から100名以上、計553名から回答が得られた。調査結果より、乳がん及び乳がん検診に対する関心は非常に高いものの、年齢や勤務形態等により受診の障壁は多様であり、年齢や働き方に応じた教育方法が教育へのアクセスを高める可能性があることが示唆された。特にフルタイム勤務の女性においては、「勤務先の職場で行われる健康教育として」情報を得たいと回答する者が多かったことから、本研究で予定している職場での健康教育という方法は対象者のニーズと合致していることを確認することができた。一方で、それ以外の勤務形態の女性については「ウェブ上での動画教材」「パンフレット等の紙媒体」を希望する者が多く、このような教育ニーズを充足していく新たな取り組みの重要性が示唆された。本調査結果については、第27回遺伝性腫瘍学会にて報告を行う。 教材については、遺伝性腫瘍を専門領域とする複数の認定遺伝カウンセラーの協力を得て、全体の構成から全体の整合性、時間配分等を考慮し、教育コンテンツを確定することができた。以下が教材のコンテンツである:1.乳がんについて(1-1.乳がんの概要、1-2.乳がんの検診とセルフチェック)、2.もしがんになったら -仕事と治療の両立-、3.乳がんのリスク要因(3-1.環境要因と遺伝的要因)、4.がんリスクを上げる遺伝性の乳がん、 5.様々な遺伝子検査(5-1.DTC遺伝子検査と医療機関での遺伝学的検査、5-2.遺伝専門外来の受診方法)、6.会社の取り組み(担当者より)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者のニーズ把握により、研究の方向性、教育手法について問題ないことが確認された。一方で、コロナ渦であることから対面での教育が難しく、教育手法の再検討が必要と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
ターゲットである勤労女性への教育介入を実施する前に、教育内容の検証として大学生等を対象に教育を実施し改善を実施する予定である。勤労女性への教育については、当面の間、対面での実施が難しい可能性が考えられるため、ウェブでの教育や効果検証の方法などを再検討していく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症の流行により、学会がオンライン開催となたったため旅費の支出が0となった。また、同様に感染症対策のため、対面による教育の実施とその効果検証についても実施方法の再考が求められている。対象者の募集やウェブによるセミナーの実施などについては、企業に業務委託を実施する可能性を視野に入れており、予算(経費区分)の組み換えが生じる可能性がある。
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