研究課題/領域番号 |
20K18181
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
小川 浩平 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期センター, 医員 (40526117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胎児期の曝露 / 妊娠アウトカム / 母子手帳 / 出生体重 |
研究実績の概要 |
本研究に必要な、妊婦自身が出生した時の母子手帳について、約400名のデータを収集した。また、Preliminaryな解析として問診から得た自分自身の出生体重が、今回の出生体重と有意に相関すること、SGA児出生のリスクと相関することを見出し、論文発表を行った(PLOS ONE)。この論文発表では、2500g未満で出生した女性は、3000-3499gで出生した女性に対して、今回の妊娠における未熟児出生の調整オッズ比が5.39 (2.06-14.1)、SGA出生の調整オッズ比が9.11 (3.14-26.4)であった。2500gー2999gで出生した女性は、3000-3499gで出生した女性に対して、今回の妊娠における未熟児出生の調整オッズ比が1.68 (1.03-2.72)、SGA出生の調整オッズ比が3.35 (1.82-6.15)であった。いずれも早産リスクとは有意な相関を認めなかった。この論文発表では、2000g未満の出生例が少なく、また妊娠糖尿病や妊娠高血圧の症例数も少ないことから様々な角度から妊娠アウトカムの検討ができているわけではなく、今後の追従研究が必要である。本計画では、次年度もリクルートを継続し、2000g未満で産まれた女性の妊娠予後について明らかにすることを目標とする。今年度のリクルート状況が極めて順調に行われたことから、次年度以降も安定したリクルート数が得られることが予測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は400例のリクルートを行った。 また、Preliminaryなデータを用いて論文発表を行うことができた。これにより、低出生体重児として産まれた女性は、成長後の妊娠期において同様に小さな児が産まれやすい傾向にあることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
さらに研究参加者をリクルートし、2000g未満で出生した女性の妊娠期における妊娠高血圧や妊娠糖尿病、早産リスクなど様々なアウトカムについて明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ感染症拡大の影響で、参加者リクルートに制限を設ける必要があった。 そのため。リクルートに関わる経費が少なくなり、繰越金が発生した。
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