前期破水の要因としてglucocorticoids(GC)が羊膜を脆弱化するという仮説を検証することを目的とした。羊膜間葉系細胞の培養中にdexamethasone(DEX)を添加すると細胞間電気抵抗が低下し、透過性が亢進することが示唆された。DEXによる同細胞、及びSLE合併患者羊膜での発現変動遺伝子には細胞接着に関わるものが有意に認められ、中でも繊維化やリモデリングに関わるITGA8が増加していた。ITGA8を過剰発現すると、MMPが増加、COL1A2, 3A1が低下し、コラーゲン分解への関与が示唆された。GCは羊膜透過性を亢進し、ITGA8を介して前期破水に寄与する可能性が示唆された。
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