慢性子宮内膜炎(CE)は着床障害の原因となる疾患である。着床には子宮内膜の免疫細胞が重要な役割を果たしている。今回、ヒト着床期子宮内膜内の免疫細胞の一種であるヘルパーT細胞(Th細胞)亜群の分布とそのCEの病態への影響を検討した。 解析では、CE群はnon-CE群に比べTh1細胞が有意に多く、Th2細胞が少なかった。また、CEで出現する形質細胞数が増えるほどTh1細胞は増加し、Th2細胞は減少した。さらに、子宮内膜の蛍光免疫染色では、CD4陽性Th細胞は有意に形質細胞周囲に集蔟していることが明らかになった。よって、CEはTh細胞に変動を来すことで着床障害に関与する可能性が示唆された。
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