研究課題/領域番号 |
20K18190
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岸田 和美 滋賀医科大学, 医学部, 胚培養士 (50582631)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精漿 / 精子 / 胚発生 |
研究実績の概要 |
精子の妊孕能力および胚発育におけるヒト精漿成分の機能調節について検討を行っている。 背景と目的:精漿は精子の生存や受精能獲得など、精子への作用を司る一方で、精漿の免疫機構の発現調節が雌性生殖器に対して重要な役割を果たし、受胎性が向上することが示唆されている。これらの背景から、精漿の免疫機構やタンパク質の発現が、精子の受精や胚発育に関わる分子に深く関わっているのではないかという仮説をたてた。 本研究では、これらに作用する精漿タンパク質と、受精や胚盤胞発生に影響を与える精子内の分子との関係性について検討している。 重要性:これらに作用する精漿タンパク質を同定することで、精子の妊孕能力の向上や、低発育胚に対する生殖技術の応用が可能になるのではないかと考えられる。 方法:当院にて不妊治療のため受診した夫婦・カップルを対象とし、治療後に廃棄する余剰精液を使用する。採取された精液は、性状評価(精液量(mL)、総精子数(×106/mL)、運動率(%)、奇形率(%))を行い、記録する。精漿は精子と分離した後、解析まで-80℃で保管する。精子は精子内分子の観察、および、残りの検体は解析まで-80℃で保管する。診療録から、研究対象者の体外受精の成績(採卵数(個)、受精数(個)、正常初期胚率(%)、胚盤胞発生率(%))を取得し、得られたサンプルデータと比較する。 結果:現在、サンプルの収集、および解析の途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究を遂行するにあたり、当院を受診する患者さんからの余剰検体を用いなければならない。しかし、昨今の社会情勢により、来院の規制等があったことと、それに付随した職場内環境の変化のため、研究が滞りなく遂行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
まだ予断は許さない状況ではあるが、引き続きヒト検体を用いた研究を施行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を遂行するにあたり、当院を受診する患者さんからの余剰検体を用いなければならないが、昨今の社会情勢により来院の規制等があったため、滞りなく遂行できなかった。 オンラインでの学会の参加が多く、出張を自粛したため、旅費を使用する機会がなかった。 まだ予断は許さない状況ではあるが、引き続き、ヒト検体を用いた研究を施行する予定である。
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