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2020 年度 実施状況報告書

慢性子宮内膜炎における子宮内サイトカイン異常と着床不全発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18201
研究機関順天堂大学

研究代表者

落合 阿沙子  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30869582)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード慢性子宮内膜炎 / 着床不全 / 子宮内膜間質細胞 / 脱落膜化
研究実績の概要

慢性子宮内膜炎は不妊症の一因であり、受精卵が子宮内膜に着床しない「着床不全」を来す。慢性子宮内膜炎は感染などを契機に子宮内膜におこる慢性炎症を指し、従来は子宮鏡検査での肉眼的炎症所見や、組織学的な子宮内膜間質への形質細胞浸潤の存在により診断されてきた。しかし、子宮鏡検査での診断は医師の主観であり、未だ一般的な診断基準がないことから術者による差がある。また、組織学検査では子宮内膜生検に際して患者への侵襲があること、子宮内膜間質への形質細胞浸潤は抗CD138抗体を用いた免疫染色が必要であるが一般的な検査ではなく広く検査できる施設に限りがあることが問題である。汎用性の高く低侵襲な検査法の開発が必要である。
更に、なぜ慢性子宮内膜炎が着床を阻害するのかといった病態解明はなされていない。子宮内膜が着床に適した状態へ変化する脱落膜化においては子宮内膜細胞同士が様々なサイトカインを放出する事で互いに脱落膜化反応を調整している。慢性炎症により炎症細胞から放出される炎症性サイトカインは、これらの脱落膜化に必要なサイトカインによる細胞間情報伝達を阻害するのではないかと仮説をたてた。
本研究では慢性子宮内膜炎患者の子宮内腔洗浄液を解析することで洗浄液中のサイトカインレベルの異常を検出することで、慢性子宮内膜炎における新たな検査手法を提示することが目的である。またサイトカイン異常が脱落膜化を阻害し着床不全の原因となることを培養子宮内膜細胞を用いて証明することで着床不全の病態解明を行うものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

慢性子宮内膜炎患者群の子宮内腔洗浄液中にIL-6などのサイトカインが上昇していることが予備実験によって明らかになった。今後はマルチプレックスアッセイによってより広範囲にサイトカインレベルを計測する予定である。研究進捗は新型コロナウィルスの流行により臨床業務負担が増加し、研究に携わる時間が減少しているためやや遅れている。

今後の研究の推進方策

今後も、慢性子宮内膜炎患者の検体をより多く採取し解析を進めていく。検体数が十分得られたのちマルチプレックスアッセイを行いより広範囲なサイトカインアッセイに進む予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの流行に伴い臨床業務が増大し研究に携わる時間が減少したため研究計画がやや遅れている。今年度中に予定していたマルチプレックスアッセイが検体数不足のため行っていないが、次年度では十分な検体数を準備して行う予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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