卵巣顆粒膜細胞腫に高頻度は発現を認める遺伝子変異につき、顆粒膜細胞腫の手術検体や細胞株より抽出したDNAを解析し、腫瘍の起源となる細胞の同定や、予 後や治療効果判定の指標と治療ターゲットとなるバイオマーカーの同定を目指す。 FOXL2遺伝子は顆粒膜細胞腫の約90%に変異を認め、診断のバイオマーカーと なる事が報告されている。また、TERT promoterに変異を認める症例は、高頻度に再 発する事が報告されている。 本研究では、慈恵医大及び関連施設における手術検体76例におけるFOXL2とTERT promoterの変異を解析する事で、診断の精度を向上させ真の顆粒膜細胞腫の臨床 的特性や予後に与える影響を解析中である。
allelic discrimination assay にて、初発aGCT64例中に46例のFOXL2 C402G mutationを認めた。FOXL2に変異を認めない(FOXL2 wt)18例をHE標本を再鏡検したところ、3例はaGCT以外の組織型を示した。その3例を除いた61例中10例にTERT promoter mutationを認めた。
TERT promoter mutationを認めた10例とそれ以外の51例の再発率には有意差を認めなかった。
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