本研究は精巣発生マスター因子SOX9遺伝子の発現調節エンハンサー候補領域(hXYSRa)についてin vivoでの機能解析を目指して行なった。1)in vitroレポーター解析でhXYSRaの機能性を確認し、転写因子結合部位を同定した。2)hXYSRaをマウスSox9の相同配列(mXYSRa)と置換したモデルマウス(hXYSRa subマウス)を作製した。この系統で遺伝学的背景の検討やhuman SRYの過剰発現を行うことにより、hXYSRa subマウスXY個体の一部で生殖器の雄性化が認められた。一定条件下でヒト発現調節配列がモデルマウス相同配列の機能を代償する可能性が示唆された。
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