動物モデルや既存データの解析によりPCOSにおいて臓器間で関連する因子の抽出を行った。モデルの解析により肝臓で遺伝子発現変動のみられたヘパトカインとしてRBP4を検出、血清濃度の上昇を確認した。卵子の解析ではリボソーム関連のパスウェイの活性化が示された。RBP4とリボソーム活性化の関連は既報でも示されている。着床の場である子宮内膜についての既存データ解析ではIGF-1の発現低下やTNF-aパスウエイの活性化が認められた。TNF-aパスウェイはIGF-1で抑制、RBP4で活性化される。PCOSにおいてアンドロゲンの作用や肝臓からのRBP4分泌の上昇が代謝障害や不妊に寄与する可能性が示唆された。
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