研究実績の概要 |
進行子宮頸癌の予後は不良であり,新規治療戦略が求められている. 現在, 新規治療薬と して抗PD-1抗体を用いた臨床治験が行われているが, 有効な症例を絞り込むための治療予測・薬剤選択バイオマーカーが求められている. 候補として, 腫瘍組織の遺伝子変異数の指標であるTumor Mutation Burden (TMB)が報告されているが, 進行/再発症例で十分な組織採取が困難な症例では解析できない. 近年肺癌において, TMBをLiquid Biopsyで検出する, “Blood Tumor Mutation Burden”が報告され, 免疫療法の効果予測マーカーとして世界的に注目を集めている. 申請者らは以前より婦人科癌における超高感度次世代シーケンサー法であるCAPP-seq (cancer personalized profiling by deep sequencing) を用いたLiquid biopsy 研究を開始しており, 本研究ではその技術を応用することにより,子宮頸癌の治療における新規血液バイオマーカーとしての “Blood Tumor Mutation Burden (bTMB) ”の有用性について検討する. 子宮頸癌16例のリキッドバイオプシーサンプルから抽出したctDNAを用いたCAPP-seqを行い, 遺伝子変異プロファイリングや “bTMB”の解析を開始した. ペアとなる子宮頸癌FFPE組織から腫瘍DNAを抽出し, 組織からの遺伝子変異プロファイリングも開始した.
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