本研究では、新しい周産期予後予測マーカーの探索を目指して、胎児軟部組織(脂肪・筋肉)、および両者を含む胎児四肢容積の計測を施行した。その結果、2編の論文を投稿し受理された。 まず、胎児軟部組織(脂肪量と筋肉量)の指標である胎児四肢容積について、日本人における正常発育曲線および各妊娠週数ごとの基準値を、本邦で初めて報 告した。また、妊娠糖尿病の母体における胎児では、上腕容積(脂肪量を 含む)が妊娠後期に増大することを見出し報告した。これは、妊娠糖尿病の母体では胎児の肩甲難産のリスクが上昇することとも対応しており、臨床的にも重要な知見となった。
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