子宮内膜症は過度の月経痛や不妊など様々な症状を引き起こす疾患だが、小さい病変は発見しづらく早期診断が難しい。そこでエクソソームという細胞からの分泌物に着目した。エクソソームには細胞からの情報が含まれており、それを内膜症の診断に役立てようという研究である。子宮内膜症病変や正常卵巣からエクソソームを抽出し、その中に含まれるmiRNA(遺伝子の発現を抑制するRNA)を解析すると、内膜症病変で1種類、正常卵巣で3種類のmiRNAが多く発現していた。正常卵巣には、そのmiRNAのターゲットとなる特異的な遺伝子を4種類同定した。その遺伝子の内膜症での発現有無を評価し、治療への応用を検討していきたい。
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