研究課題
若手研究
研究の序盤においては、孵卵器を準備して、鶏卵の発育条件などの設定を行った。実際の喉頭乳頭腫患者の組織を鶏卵に移植する実験を施行した所、生着が確認された。鶏卵発育後にシドフォビル注入を行った所、すべての症例ではないが、一部(8検体中2検体)で腫瘍の消失を認めた。HPV-DNAのタイピングの解析では、手術症例では1例がHPV type11で他の症例はすべてHPV type6であった。腫瘍正着率と血管新生の程度と臨床像との相関については、今回の検討では明らかな相関を確認することが出来なかった。
耳鼻咽喉科頭頸部外科
本研究において、腫瘍正着率と血管新生の程度と臨床像との明らかな相関を確認することは出来なかった。しかし、シドフォビル注入によって鶏卵に移植された喉頭乳頭腫の消失を認めた。HPV DNAの解析ではtype6が有意であり、HPV11との比較検討は出来なかった。以上のことから、腫瘍正着率と血管新生の程度との相関については定かではないものの、鶏卵モデルによって乳頭腫に対する抗腫瘍効果を同定し得る可能性が示された。今後は今回検討出来なかったベバシズマブを含め種々の薬剤を用いた検討が望まれる。