好酸球性副鼻腔炎(以下ECRS)は好酸球浸潤を伴う鼻茸などを特徴とする指定難病の一つである。 上皮細胞表面蛋白の糖鎖修飾は粘膜バリア構築において重要であり、気道炎症に関与する蓋然性が高い。糖転移酵素による糖鎖修飾に着目し、ECRS難治化の病態 解明の研究を進めている。 副鼻腔組織検体(下鼻甲介・中鼻甲介・ポリープ)を採取し、定量的RT-PCR法にて糖転移酵素関連遺伝子の発現の評価を行ったところ、 ECRSの中鼻甲介では、糖転移酵素関連遺伝子B3GNT7の発現の亢進を認めた。またECRSの組織免疫染色においても、B3gnt7は高発現していたが、NECRSでは発現はわずかであった。糖転移酵素は一部の浸潤好酸球に一致して発現していた。 今後はECRS、NECRSの鼻茸分離細胞を回収しサイトカイン刺激実験を予定している。さらに臨床的重症度との相関についても検討を加える予定である。
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